過去の名言から知り、今の生活に生かす

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栗山英樹の名言・格言

監督就任時、もちろん不安はありました。とくに頭をよぎったのは、「実績のない自分が監督になったときに、はたして選手はついてきてくれるだろうか」ということでした。でも僕は、「そういうことは考えてはいけない」と思うことにしたんです。僕はただ選手を信じ、選手とチームの成長を願うだけ。選手のほうが僕をどう評価するかについては、いっさい考えない。いわば「片思いの一方通行の関係」にしようと思ったんです。

 

監督が選手を信じられなければ、本当に結果が出なくなってしまう。選手が自分を信じられないとしても、「俺はおまえをできるやつだと思っている」と選手に言う。だって、本当にできる可能性が人間にはあるのですから。

 

僕はプロ野球選手としてたいした実績もないし、29歳のときにユニフォームを脱いでから、コーチの経験もまったくありませんでした。だから、将来自分のところに監督就任のオファーがくる可能性は、非常に低いだろうと考えていました。ただし、機会があったときに備えて、これからのプロ野球で求められる監督像やコーチ像について、自分なりに考えたり勉強をしたりしていました。とはいえ「まさか自分が監督をやることはないだろう」と思っていましたから、本気の準備がどこまでできていたかというと、ちょっと自信はありませんが……。

監督一年目の最初の日に僕が行なったのが、「監督としてこれだけは守る」という自分との約束をまとめることでした。一例を挙げると、「絶対に選手たちに嘘はつかない」「言ったことはすべてやり尽くす」といったものがあります。これをシーズン中に何回も読み直しました。一年間、何とかブレずにやることができたとしたら、この「自分との約束」の存在は大きいですね。

野球の技術的なものは勉強できるけれど、人として持っているものはなかなか変えづらい。指導者には人への愛情、情熱が絶対になければいけない。選手たちをまず動かすものは、彼らをどれだけ思っているか。そういう思いを持っている人たちに来てもらった。

指導者にとって大事なのは、選手と一緒にどれだけ成長していけるか。僕もまだ全然ダメだから、成長しないといけない。それは伸びしろがあるということ。選手と一緒に成長していければ、当然チームはよくなる。選手は試合で経験しながら成長できるけれど、我々は試合に出られない。選手の10倍は努力しないと、選手と一緒に成長できない。

ピンチヒッターを送り出す場面でも、「ここはお前しかいない。お前なら絶対にできる。頼むぞ」と監督からいわれて打席に立つのと、「ほかに選手がいないから、しょうがないな」といわれて打席に立つのとでは、選手は当然前者のほうが力を発揮するでしょう。だったら監督は、選手を信じて打席に送り出すべきなのです。

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