大事なのはコストパフォーマンス。あるものでなんとかしようという。ある時間と、ある予算と、あるスタッフ。状況によっちゃ「ええ、この人と!?」という人たちだけで作んなきゃいけないわけです。それで一定のクオリティを維持しようとするには、コストパフォーマンスを上げていくしかない。
作りたいから作っているんです。作ることが重要で、完成してしまったら僕にとっては終わりです。終わった作品に興味はもてないし、過去の自分の作品を見直すなんてことはまずしません。
周囲の評価もさほど気になりません。最初は気にしましたが段々となくなりました。もちろん、感情的には誉められると嬉しいですが、嬉しい以上は何も感じないので、創作の目的にはならない。だからといってなぜ作っているんだ、問われても自分では答えを出せません。他にすることがないからやっているだけかもしれませんね。
基本的にアニメ(を制作すること)って穴の開いた船だから、沈む前に港に着けるかという、それだけなんです。そのためには排水作業をどうするかという、ダメージコントロールでしかない。最悪の状態を想定して、それに対処するためのシフトを作っておくだけなんです。組織論の基本ですね。
最悪の場合を考えて、ものを作っていかないといけないっていうのは、軍艦の運用とまったく同じなんです。軍艦というのは、敵の弾が当たって沈むっていうのを前提に作られてますから、できるだけ沈まないようにするにはどうすればいいんだろうというところから始めるのが、軍艦の運用思想。