私は、売りによる勝利は、買いによる勝利より価値があると思っている。売りにより利益が出た場合デフレがおきており、買いによって利益が出た場合インフレが起きている。同じ金額の儲けでも売りのほうが、現金の価値があり使いでがある。
財産無くして 相場を悟る。 天井三日、底三年。 大回り三年、小回り三ヶ月。 採算は実。人気は花。 採算を買い、人気を売る。 奇跡に賭けるな。 休むも相場。
私は清算取引と名のつくもので勝負をやらないものはない。しかし、いまもって競馬、競輪は一度もやったことがない。兜町の先輩の中に、金山や銅山などを手掛けた人も多いが、私はまったくやったことがない。これは自分の方向を律していく一つの主義である。【覚書き:清算取引とは売買対象になったものの現物を受け渡ししないで行う取引のこと。先物取引やオプション取引などで使われる】
相場というものがわかりだしたのはこの頃だ。休みなしに強行軍すると、兵隊はバタバタ倒れる。休みも挟まねばならぬ。「休むも相場」というが、まったくそのとおりである。 【覚書き:1920年の株式市場の大暴落で大損害を受けた時を振り返っての発言】