太平洋戦争がなかったら私はSF作家にはならなかったでしょう。開戦直前の1941年春、小学生の私は小学生新聞の読み物で「マッチ箱ひとつの大きさで富士山を吹き飛ばす」という原子爆弾なるものを知りました。そんなことがあるはずもないと思ったのですが、45年8月6日、広島に原爆が投下されました。文明の終末観を初めから心に抱え、それを表現する手段としてSFを選んだのです。文明はどこに行くのか、地球規模の問題にどう取り組むのかと考え続けていまに至りました。
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