「足るを知る」という言葉があります。際限のない欲望を持つから人はいつまでも満足できず、不幸になるのだと、際限のない欲望を戒める言葉です。たしかにこの言葉は、ある面で正しく、人間が幸福を感じるためには大切な考え方です。しかし私は、際限のない欲望を持つからこそ、人は人生に挑戦できるのだと思っています
商売のことを「商い」と言います。商いは「飽きない」に通じます。売る人も買う人も「飽きない」ことで、商売が続いていくのです。客が飽きないとはどういうことでしょうか。次に期待を持たせることです。これを買ったけれど、もっといいもの、いいことがありそうだと思ってもらうことです。そう思わせて初めて、「またこの店に来てみよう」と客は思うわけです