あえてそのお店をニュースにするときもあるし、まったくニュースにしないでお客様にそのお店を見て何かを感じてもらうようにするときもあります。要は、お客様がそそられるかそそられないか。そのお店の何かを見て、行ってみたいなと思わせることです。
みんなは僕が苦労してきたと思うみたいなんですが、僕は苦労はしていないんです。もともと安易な考えで飲食業をはじめましたから、わかりやすいことしかやってきていないんですね。普通の人から見れば、それはすごい苦労なのかもしれない。でも僕は、もともと苦労をあまり感じない方なんです。
飲食だけでなく、僕には何のスキルもなかったんです。ただ基本的に人が好きですから、人が集まるところ、たとえば飲食店ですとか、ホテル、旅館などがもともと好きだったことはあります。また、僕は営業が嫌いだったので、営業しなくてもお客様が来てくれるだろうと考えたんです。あとは、日々食べていくくらいは稼げるだろう。という安易な考えで最初は始めました。
旅館だろうが人だろうが、せっかくいい事業だったりいい人材だったりしても、きっかけがないとなかなか世の中にデビューできませんよね。本当に世の中にデビューできるものは一握りなんです。だから僕たちは、社会に価値のある、意義のある埋もれていた情報を、世の中に提供して、それを取り上げてもらうということを行っています。
「あながのやっていることはよくないからこうしなさい」って人に言うのは、本当に面倒ですよ。根気がいります。エネルギーもいります。自分でやった方がよっぽど楽ですね。だから、ほとんどの飲食店のオーナーは料理人を使わずにアルバイトを使うんですよ。
なるべく、好きな仕事を見つけてください。そして好きな仕事が見つかったら、それに情熱を注いでください。仕事は寡黙にやらないで、なるべく大騒ぎしてやりましょう。そうすれば、周りが動きます。賛同者やおせっかいな人も出てきます。よく人脈だとかコネクションづくりだとか言いますが、それよりも、売れる商品を作れば人脈はついてくるんです。なんだっていいんですよ。たとえばそれがパイナップルだとしたら、俺はこのパイナップルを売るんだと決めるんです。
親が作ってくれたものでも、学校が作ってくれたものでも、社会が作ってくれたものでも、その環境が自分にとって良くないと客観的に判断したら、そこを変えるべきです。親を変えるのは無理ですけど、友達や恋人を変えることはできる。そこからスタートしてみてください。必ず変わりますから。そのくらいのことをしないと、人間は変わらないんです。