一つの体験からすべてを見ないよう注意しなさい。熱いレンジの蓋に座った猫にならないよう。その猫は二度と熱いレンジの蓋に座らないだろう。だが冷たいレンジの蓋にも二度と座らない。
カエルを二匹飲み込まなければいけないときは、大きいほうから飲み込むこと。それと、あまり長いあいだ見つめないことだ。
「卵は一つのカゴに盛るな」と愚かな者は言う。これでは「金を分散し、注意を分散させよ」というに等しい。賢者は言う。「卵は一つのカゴに盛り、そのカゴをよくよく見守れ」と。賢者は投機を戒める。「人生には投機に手を出すべきではない時期は二つある。投機に回せる金がないときと、投機に回せる金があるときだ」と。そして、投資家としての失敗を嘆く。「投資機会を見つけ出せるのはたいてい、機会がなくなってからだ」と。 【覚書き|1894年に出版した「ノータリン・ウィルソンの悲劇」より】